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#28 【Season 2完走】あなたはもう、なぜ動くか説明できる?

2026.10.31 | 25:19

#28 エピソードアート
きょうの持ち帰りSeason 2で、みなさんは『なぜ動くかを説明できる人』になった。設定の地図と、頭の中の地図、2枚の地図を持っていて、分からなくなったら、どの回の引き出しを開ければいいかが分かっている。

まず結論

Season 2を聴き終えたみなさんは、いま、何ができるようになっているのか。ひとことで言うと——

「Claude Codeくんが、なぜそう動くのかを、自分の言葉で説明できる人」になりました。

「なんで貼り紙に書いたルールを守ってくれないの?」「なんで長く話していると、だんだん返事が雑になってくるの?」。Season 1のときは「そういうものなのかな」で済ませていた疑問に、今は理由から答えられます。

そしてもうひとつの結論。みなさんはもう、「設定の地図」と「頭の中の地図」の、2枚の地図を持っています。

  • 1枚目・設定の地図 — Claude Codeくんのホワイトボードに、何を、いつ読ませるかの地図
  • 2枚目・頭の中の地図 — 読ませたものを、Claude Codeくんがどう扱っているかの地図

この2枚があれば、新しい機能が出てきても「これは、どっちの地図の、どのあたりに入るものかな?」と、置き場所の見当がつけられます。

完走した人が抱きがちな3つの誤解

第13回と同じ特別編です。ここまで聴いてきたみなさんが、自分自身に対して抱きがちな誤解を3つほどきます。

  1. 「設定の話をいろいろ聴いたけど、結局まだ貼り紙1枚しか使ってないし……」 — それで大丈夫です。第21回の「まず貼り紙に書いて、貼り紙にお願いが増えて、困りごとが見えてきたら引っ越す」は、「最初から全部の道具を使ってください」という話ではなく、「困ったときに、どこに引っ越せばいいかを知っておきましょう」という話でした。「絶対に消してほしくないファイルが出てきたら拒否リスト」「同じ手順の指示を2回打ったらスキルにしてもいい」と、困りごとが起きた瞬間に引っ越し先が分かっている。それは、Season 1の頃の「貼り紙しか知らない」状態とはまったく別の状態です。今は使っていない道具も、地図にはちゃんと載っている。それで十分です

  2. 「Season 2、用語が多すぎて、正直ほとんど覚えてないんだけど……」 — 当たり前です。権限設定、フック、スキル、パス指定ルール、プランモード、探索係、圧縮、枝分かれ、グレップ、グロブ……と、この14回で新しい名前が30個以上出てきました。台本なしで全部の名前を言うのは、話している側でも途中で詰まると思います。本当に覚えておいてほしいのは、次の2つだけです

    • 第21回の置き場所を決める3つの質問 — 守ってくれなきゃ困るのか、守ってくれたら嬉しいのか/いつも守ってほしいのか、決まった場面だけなのか/どこで守ってほしいのか
    • 第22回のホワイトボードの4つの現象 — ホワイトボードが埋まってくると、正確さが落ちる・道具の出力が場所を食う・真ん中が抜ける・要約で数字が溶ける

    この2つを覚えていれば、ほかの用語は「3つの質問でいうと、仕組みで守るほうのものだな」「4つの現象の対策のものだな」と、引き出しから出せます。名前のほうは、下の一覧表で確かめてください

  3. 「Season 2、けっこう難しかったな……。Season 3はもっと難しいんじゃ……」 — Season 3は、むしろSeason 1に近い話に戻ります。テーマは「頼み方を設計する」。第5回の「目的・材料・完成形」の3点セットの、その先の話です。「どう頼めば、思った形で、間違いなく返ってくるか」という言葉の話なので、仕組みの話だったSeason 2よりも、普段の感覚で聴ける回が多いと思います

そして、これは毎シーズンお伝えしていることですが、この番組の配信のペースには、追いつけなくても大丈夫です。ただ、ひとつだけお願い。理解のほうは飛ばさないでください。順番に聴いていけば、いつから聴き始めても同じ階段を登れるようになっています。自分のペースで大丈夫です。

ステップ1: 前半戦。設定の種明かし(第14回〜第21回)

前半戦は、第14回で広げた「設定の地図」の箱を、1個ずつ開けていく階段でした。

  • 第14回 設定の全体地図 — 横が「お願い・仕組み・手順書」の3種類、縦が「自分の作業全体・この作業だけ・今回の会話だけ」の3階建てで、全部で9マスの地図。「守ってくれたら嬉しいものは貼り紙で、絶対に守ってくれなきゃ困るものは仕組みで」という、Season 2でいちばん大事な線引きもこの回で出てきました
  • 第15回 CLAUDE.mdの置き場所と分割 — 貼り紙の置き場所は4か所あって、全部足し算で読まれる。フォルダと一緒に同僚のところまで届くのは2階の作業フォルダの貼り紙だけで、自分だけの事情は1階か自分専用メモに書く
  • 第16回 パス指定ルール — 貼り紙は、場所ごとだけでなくファイルの種類別にも貼れる。別冊の冒頭に条件を書いておけば、そのファイルを触るときだけ読まれるので、ホワイトボードを軽く保てる
  • 第17回 権限設定とモード — 「これやっていい?」の線引きは、AIの性格ではなく設定の問題。許可・確認・拒否の3つのリストと、任せ方のダイヤル(6段階のモード)で決まる。拒否リストはどのモードでも止まり、おまかせモードの見張り役は、危ないかどうかは見るけれど正しいかどうかは見ない
  • 第18回 スラッシュコマンドとスキル — 手順書には、自分で呼ぶスラッシュコマンドと、冒頭の説明文を見てClaude Codeくんが自分でも開くスキルの2種類がある。中身は同じ手順書で、違いは誰が開くか。いつも読まれるのは名前と説明文だけ
  • 第19回 スキルの中身の設定 — スキルの冒頭の欄には「別室で作業」「使う道具」「記入例」の3つが書ける。部下には、手順書が最初からは渡らない
  • 第20回 フック入門 — 決まった場面が来たら、決まった処理を必ず走らせる仕組み。貼り紙はお願い止まりで確率的、フックは機械なので必ず走る。使いどころは、実行前に止める・実行後に整える・終わりを認めない、の3つ
  • 第21回 結局どれに書けばいい? — ここまでを全部まとめたのが、置き場所を決める3つの質問。守ってくれなきゃ困るものは仕組みで守るほうに、守ってくれたら嬉しいものは言葉で伝えるほうに置き、どこで守ってほしいかで何階に置くかを決める。迷ったら、まず貼り紙に書いて、困りごとが見えてきたら引っ越す

こうして並べると、この8回はバラバラの機能の紹介ではなく、「置き場所を決める」という1つの技術を組み立てていたことが分かります。第14回で地図を広げて、第15回から第20回で箱の中身を1個ずつ確かめて、第21回で全部を「3つの質問」という仕分け方にまとめました。第21回の3つの質問さえ手元にあれば、前半戦の内容は全部そこから引き出せます。

ステップ2: 後半戦。頭の中と、手の中身(第22回〜第27回)

後半戦は、設定の話から少し離れて、Claude Codeくんの「頭の中」と「手の中身」に入っていく階段でした。

  • 第22回 長い会話が重くなるのは、なぜ? — Claude Codeくんは返事をする前に、毎回ホワイトボード全体を読み直している。ホワイトボードが埋まってくると、正確さが落ちて、道具の出力が場所を食って、真ん中が抜けて、要約で数字が溶ける。金額や日付のような大事な事実は、会話とは別の事実メモに書いておく
  • 第23回 再開・フォーク・メモファイル — 会話をまたいで覚えていてもらう方法は、その場で軽くする・あとで続ける・枝分かれ・ホワイトボードの外に残す、の4段階。圧縮するときは残してほしいものを一言添えて、再開するなら会話に名前をつけておいて、前の会話が古くなっていたら要点のまとめを持って新しく始める
  • 第24回 モデルの使い分け — 中で動いているAIには、返事が速い子・速さと賢さのバランスがいい子・じっくり考える子がいて、賢さと、速さ・コストはトレードオフ。作業の難しさに合わせて選んで、全部を一番賢い子に頼まない
  • 第25回 プランモード — 手を動かさずに、読んで調べて計画を出す、相談だけのモード。大きい変更・正解が複数ある・設計の判断が要る・たくさんのファイルを触る作業は相談から入り、計画はちゃんと読んで、計画の段階で直す
  • 第26回 反復リファインメント — 一発で決まらないのは普通。言葉で伝わらないなら見本を3つくらい見せる。作ってもらう前に答え合わせの条件を書いておいて、外れたところだけ直してもらう。直したいところ同士が絡んでいるならまとめて、絡んでいないなら1個ずつ渡す
  • 第27回 AIが使っている「手」の道具箱 — Claude Codeくんの手は、中身で探す・名前で探す・読む・書く・直す・実行する、の6つの道具。探してから読んでいるので、頼むときも「まず探して」と伝える。直す道具は、目印が1か所に決まらないと止まる

前半と後半は、1つの話だった

Season 2の前半と後半は、実は1つの話です。第6回のホワイトボードで言うと、前半は「ホワイトボードの入口」、後半は「ホワイトボードの中身」の話でした。

地図中身
1枚目・設定の地図ホワイトボードに、何を、いつ読ませるか(前半戦)
貼り紙毎回読ませる
条件つきの別冊そのファイルを触るときだけ読ませる
スキルいつもは名前と説明文だけを読ませておく
権限設定・フック読ませるのではなく、機械で決まりを守らせる
2枚目・頭の中の地図読ませたものを、どう扱っているか(後半戦)
ホワイトボード毎回全部を読み直していて、埋まってくると数字が溶けたりする
会話をまたぐ4段階だから、会話をまたいで軽くする方法がある
モデル読ませたものを扱うAIにも、返事が速い子・じっくり考える子のような種類がある
プランモード手を動かす前に、相談だけすることもできる
6つの道具実際に手を動かすときは、6つの道具で探して、読んで、直している

Season 2の用語を、9マスの地図に当てはめた一覧表

本編でお伝えした一覧表です。「あの名前、どの箱だっけ?」というときにのぞいてください。かっこの中は、その用語が出てきた回です。

「お願い」の箱
「仕組み」の箱
「手順書」の箱
1階自分の作業全体
どこで作業していても読まれる貼り紙(第15回)
CLAUDE.md・条件つきの別冊(パス指定ルール・第16回)
どこで作業していても効く
許可・確認・拒否の3つのリスト(第17回)・フック(第20回)
どのフォルダからでも呼べる
スラッシュコマンド・スキル(第18回)・スキルの冒頭の欄(第19回)
2階この作業だけ
作業フォルダの貼り紙(同僚にも届く)・自分専用メモ(第15回)
小部屋の貼り紙・条件つきの別冊(第16回)
そのフォルダにいるときだけ効く
権限設定の3つのリスト(第17回)・フック(第20回)
そのフォルダ専用の
スラッシュコマンド・スキル(第18回)
3階今回の会話だけ
会話の中で口で言うお願い
任せ方のダイヤル(6段階のモード・第17回)
プランモード(第25回)
会話の中でその場で書く手順

9マスの地図の外、2枚目の「頭の中の地図」に入る用語はこちらです。

用語何の話か(出てきた回)
ホワイトボードの中身第22回・第23回
4つの現象正確さが落ちる・道具の出力が場所を食う・真ん中が抜ける・要約で数字が溶ける(第22回)
事実メモ金額や日付のような大事な事実を、会話とは別に書いておくメモ(第22回)
圧縮・再開・枝分かれ(フォーク)・メモファイル会話をまたいで覚えていてもらう4段階(第23回)
読ませたものを扱うAI第24回・第25回
モデル返事が速い子・速さと賢さのバランスがいい子・じっくり考える子(第24回)
探索係・計画係プランモードで調べものや計画を手伝う、最初から用意されている部下(第25回)
頼み方と手の中身第26回・第27回
見本・答え合わせの条件一発で決まらないときの直し方(第26回)
6つの道具中身で探す(グレップ)・名前で探す(グロブ)・読む・書く・直す・実行する(第27回)

ステップ3: 「説明できますか?」チェックリスト

心の中で「はい」か「まあ、そうかな」で答えてみてください。第13回のチェックリストは「できますか?」でしたが、今回は全部「説明できますか?」です。

  1. 「CLAUDE.mdに書いたのに守ってくれない」と言っている人に、理由を説明できますか? — 「別のフォルダの貼り紙に書いていて、今の作業フォルダでは読まれていないか、貼り紙はお願いだから、たまに抜けたかのどっちかだよ」と言えたら、はい
  2. 「お願い」と「仕組み」の違いを、一言で説明できますか? — お願いは、守ってくれたら嬉しいもの。仕組みは、絶対に守ってくれなきゃ困るもの
  3. スラッシュコマンドとスキルの違いを、説明できますか? — 「中身は同じ手順書で、違いは誰が開くか」が出てくれば、はい
  4. 「必ず確認して」と貼り紙に書いても、たまに抜ける理由を説明できますか? — 貼り紙はお願いで、確率的だから。必ずやらせたいなら、フック
  5. 長い会話でAIが雑になる理由を、「疲れた」以外の言葉で説明できますか? — 返事をする前に毎回ホワイトボード全体を読み直しているから、ホワイトボードが埋まってくると、大事なことを拾いそこねやすくなる
  6. 昨日の会話を再開するか、新しく会話を始めるか、判断の基準を説明できますか? — 前の会話の中身がまだ正しいなら再開。古くなっていたら、要点のまとめを持って新しく会話を始める
  7. 大きい作業を頼む前に何をするか、説明できますか? — プランモードで計画を出してもらって、ちゃんと読んで、計画の段階で直してから承認する

全部に「はい」と言えなくても大丈夫です。第14回を聴く前の自分に、5番目の質問をしてみてください。「え、AIって疲れるんじゃないの?」となっていたはずです。それが今は「あ、ホワイトボードの話ね」と、質問の意図から分かるようになっています。

Season 2で手に入れたのは「理由から話せる」こと

このリストは、7個全部が「できますか?」ではなく「説明できますか?」でした。Season 1で手に入れたのが「AIに仕事を任せて、確認して、やり直せる」という基礎体力だとしたら、Season 2で手に入れたのは、**「なぜそうなるのかを、理由から話せる」**という状態です。

理由から話せると、いいことが2つあります。

  1. 初めて起きたトラブルでも、「たぶん、この仕組みのせいだな」と当たりがつけられる
  2. 周りの人に教えられる。「別のフォルダで作業したら、いつものルールを守ってくれないんだよね」と言っている同僚に、「それ、貼り紙の置き場所の問題だよ」と言える

で、自分の作業だとどう使う?

Season 2で身につけたことは、Claude Codeくんが思い通りに動かないときに、いちばん役に立ちます。困りごとから、開ける引き出しが決まっています。

困りごと開ける引き出し
貼り紙に書いたのに守ってくれないその貼り紙は、どの階に貼ってあるかを確かめる(第15回の置き場所の話)
必ずやってほしいのに、たまに抜ける貼り紙ではなく、フックの出番かもしれない(第20回)
長く作業していたら、数字がおかしくなってきたホワイトボードが埋まってきているサイン。大事な数字を事実メモに書き出すか、要点のまとめを持って新しい会話を始める(第22回・第23回)

どの引き出しか分からなくても、「これ、どの設定が関係してると思う?」とClaude Codeくんに聞けば、一緒に探してくれます。逆に、今うまく動いているものは、無理に設定をいじらなくて大丈夫です。

最近「Claude Codeくんは、なんでこう動くんだろう?」と思った場面を、1つ思い浮かべてみてください。それが、Season 2の引き出しを開けてみる、いちばんの候補です。

今日の持ち帰り

「Season 2で、みなさんは『なぜ動くかを説明できる人』になった。設定の地図と、頭の中の地図、2枚の地図を持っていて、分からなくなったら、どの回の引き出しを開ければいいかが分かっている。」

周りに「Claude Codeって、なんでこう動くのか、よく分かんないんだよね」という人がいたら、こう言ってあげてください。「設定は『何を読ませるか』で、頭の中は『読ませたものをどう扱うか』っていう、2枚の地図があるんだよ。その2枚で、だいたいのことは説明がつくよ。」みなさんがこんなふうに誰かに説明できるようになったら、Season 2は大成功です。

次回からSeason 3・表現編

次回からは、Season 3・表現編「頼み方を設計する」が始まります。合言葉は「説明できる人から、伝えられる人へ」。第5回の「目的・材料・完成形」の3点セットの、その先の話です。

最初のテーマ、第29回は「「慎重に見て」が効かないのはなぜ?— 基準は言葉で決める」。Claude Codeくんに「慎重にチェックして」と頼んでも、実は思ったほど効果がありません。じゃあ、何て頼めば効果があるのか。Season 3の入口の話から始めます。

Season 3で「これを扱ってほしい」というリクエストは、今がいちばんの送りどきです。Season 2の感想とあわせて、質問箱からぜひお願いします。

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