$ play ep26 — だい26かい の授業
#26 一発で決まらないとき、どう直していく?— 反復リファインメント

まず結論
一発で決まらないのは普通のことです。Claude Codeくんは、みなさんの頭の中を直接見ているわけではないので、1回目は「だいたいこんな感じかな」というものが出てきて、2回目・3回目でみなさんのイメージに合わせていくのが普通の流れです。第5回の3点セット(目的・材料・完成形)は、その1回目を近づけるための話で、今回は2回目以降の往復を短くするための話です。
直し方の型は4つあります。
- 見本を見せる — 言葉で説明しても伝わらないときは、「この入力を、この出力にしてほしい」という見本を3つくらい見せる
- 答え合わせの条件を先に書いておく — 作ってもらう前に「これを満たしたら合格」の条件を書いておいて、条件から外れたところだけ直してもらう
- 先に質問してもらう — 完成形が自分でもまだ見えていないときは、作り始める前に、Claude Codeくんのほうから質問してもらう
- 直したいところの渡し方 — 直したいところ同士が絡んでいるならまとめて、絡んでいないなら1個ずつ渡す
よくある3つの誤解
- 「一発で決まらないのは、自分の頼み方が下手だからでしょ?」 — 言葉にはどうしても隙間があって、Claude Codeくんはその隙間を想像で埋めています。人に頼んだときも、1回目にできてきたものが想像どおり100%になることはまずありません。公式のドキュメントでも、一発で解けることもあるけど、ずれたらすぐ直していくほうが良い結果に早くたどり着きやすい、とされています。一発で決まらないのが普通で、2回目からが本番です
- 「伝わらないなら、説明をもっと詳しく書けば伝わるでしょ?」 — 説明が長くなるほど、「丁寧に」「きれいに」「わかりやすく」のような、受け取り方が何通りもある言葉が増えて、Claude Codeくんが想像で埋める場所も増えていきます。公式のドキュメントでも、見本は出てくるものの形や言葉の調子を狙いどおりにするための、一番確実な方法の1つとされています。言葉を増やすより、見本を1個増やします
- 「直したいところは、1個ずつ言うのが丁寧でしょ?」 — 半分は正しくて、半分は逆効果です。直したいところ同士が絡んでいるときに1個ずつ渡すと、直すたびに別のところが崩れて、いつまでも終わりません。判断のしかたは下の「絡んでいるかどうかの判断の表」
見本の書き方の実例
バラバラな書き方の住所を、同じ書き方に揃えてほしいときの例です。普通の見本2つと、迷いそうなケースの見本1つを、そのままお願いに貼ります。
次の住所を、下の見本と同じ書き方に揃えて。
【見本1】
入力: 東京都渋谷区桜丘町1丁目2番3号 さくらビル5階
出力: 〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町1-2-3 さくらビル5F
【見本2】
入力: 大阪府大阪市北区梅田二丁目4番6号
出力: 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-4-6
【見本3(迷いそうなケース:番地がない)】
入力: 北海道虻田郡ニセコ町字曽我
出力: 〒048-1500 北海道虻田郡ニセコ町字曽我(番地なし)
【揃えてほしい住所】
(ここに住所の一覧を貼る)
- 見本があると、Claude Codeくんは見本から「どういうルールで書き換えればいいか」を自分で読み取るので、見本に入っていない住所でも同じルールで書き換えてくれます。言葉の説明は、見本を補うために添えます
- 迷いそうなケースの見本を1つ入れるのがコツです。普通の見本だけだと、番地がない住所や建物の名前がすごく長い住所が来たときに、Claude Codeくんが自分なりの判断で書き換えてしまいます
- 見本の数は、公式のドキュメントでは3つから5つくらいで一番よく効く、とされています。まずは3つから始めて、それでもずれるようなら、ずれたところの見本を1つずつ足していきます
答え合わせの条件のリストの例
見積書のひな形を作ってもらう前に、合格の条件を先に書いておく例です。プログラムを書く人の世界では「テスト」と呼ばれる考え方です。
見積書のひな形を作って。
次の5つの条件を全部満たしたら合格です。
1. 会社名が入っている
2. 税込みと税抜きの金額が両方書いてある
3. 有効期限が書いてある
4. 合計が、明細を足した金額と一致している
5. 日付が西暦になっている
できあがったものをこの5つに当てはめて、外れていたところだけを、番号で伝えて直してもらいます。
3つ目と5つ目の条件が外れています。有効期限を入れて、日付を西暦に直して。
- 「なんか違う」では、Claude Codeくんはどこを直せばいいかわかりませんが、「有効期限が書いてない」ならそこだけを直せます
- 条件を書いている途中で、みなさん自身が「そういえば、日付は西暦じゃないと困る」と気づけます
- 条件のリストは、最初からお願いに入れて渡してもかまいません。1回目から完成形に近いものが出てきやすくなります。公式のドキュメントでも、Claude Codeくんが自分で確かめられる合格の条件を渡しておくことが、使い方のコツの一番最初に挙げられています
条件をフックに入れる
第20回でお話しした「終わりを認めない」使い方(Stop フック)と、判断つきのフック(小さなAIに判断させるフック)を組み合わせると、Claude Codeくんが「できました」と終わろうとしたときに、この5つの条件を確認して、外れていたら作業を終わらせずに直してもらえます。毎回自分で採点しなくても、自動で採点と修正をしてもらえるようになります。公式のドキュメントでも、フックを「条件を満たすまで終われない門」として使う方法が紹介されています。書き方は第20回の記事版を見てください。
「作る前に質問して」の言い方と、返ってくる質問の例
完成形が自分でもまだよく見えていないときは、お願いの最後に一言添えるだけです。
経費精算の集計表を作って。
作る前に確認しておきたいことがあれば、先に質問して。
すると、作り始める前に、たとえば次のような質問が返ってきます。
- 立て替えた分と、会社のカードで払った分は、分けて集計しますか?
- 月をまたぐ出張は、どちらの月に入れますか?
- 領収書がない経費は、どう扱いますか?
聞かれてみると「それ、考えてなかった」というものが結構出てきます。公式のドキュメントでも、大きめの作業のときは、先にClaude Codeくんにインタビューしてもらう使い方が紹介されていて、例外の扱いやどちらを取るかの判断など、まだ考えていなかったことを聞き出してくれる、とされています。
- 第25回のプランモードとも相性がいいです。プランモードで頼むときにも「計画を作る前に確認しておきたいことがあれば、先に質問して」と添えておくと、質問に答えてから計画を出してもらう流れにできます
直したいところ同士が絡んでいるかどうかの判断の表
迷ったときの質問は1つだけ、「片方を直したら、もう片方も変わる?」です。
| 片方を直したら、もう片方も変わる? | 渡し方と例 |
|---|---|
| 変わる絡んでいる | まとめて渡す。例: 請求書の「合計の計算が違う」と「税の計算が違う」。合計には税が含まれているので、片方だけ直すともう片方と合わなくなります → 「合計と税の計算を、両方まとめて、合計=明細の合計+税 になるように直して」 |
| 変わらない絡んでいない | 1個ずつ渡して、1個ずつ確認する。例: 「見出しの色を変えて」と「日付の書き方を直して」。片方を直しても、もう片方には関係ありません |
同じところを2回直しても違うときは
説明を足しながら3回、4回、5回と往復していると、説明が最初は3行だったのに1ページくらいになっていて、それでも毎回ちょっとずつ違うものが出てくる、ということが起こりがちです。
- 公式のドキュメントには、同じところを2回より多く直してもまだ違うときは、新しい会話に切り替えて(
/clear)、そこまでで分かったことを入れたお願いで頼み直したほうがいい、という目安が載っています。第23回の「新しい会話を始める」は、こういうときにも使えます - 新しい会話では、長くなった説明文を持っていくのではなく、過去に自分で書いたもの(たとえば日報)を3つくらい、そのまま見本として渡して「この3つと同じ形式でまとめて」と頼むのが近道です
※ここに書いた仕様は 2026年10月20日時点の公式ドキュメントに基づいています。Claude Code は更新が速いので、最新の情報は公式ドキュメントで確認してください。