$ — 聴く教室、開講中 —
~/episodes/ep23 — now playing

$ play ep23 — だい23かい の授業

#23 会話をまたいで覚えててもらう方法、他にもある?— 再開・フォーク・メモファイル

2026.10.14 | 28:06

#23 エピソードアート
きょうの持ち帰り会話をまたいで覚えててもらう方法は、その場で軽くする・あとで続ける・枝分かれ・ホワイトボードの外に残す、の4段階。圧縮するときは、残してほしいものを一言添えて、再開するなら、会話に名前をつけておいて、会話を閉じてた間に変えたファイルは教える。前の会話が古くなってたら、要点のまとめを持って新しく始めて、作業の途中で分かったことは、メモファイルに残す。

まず結論

会話をまたいで覚えててもらう方法は、4つの段階に分けられます。

  1. その場で軽くする — 同じ会話の中で、古い部分を要約して場所を空ける「圧縮」、さっきのお願いをした時点まで会話を戻す「巻き戻し」、話題が変わったら「新規」。圧縮するときは「これは残して」という指示をつけるのがおすすめです
  2. あとで続ける — 会話に名前をつけておいて、次の日にその名前で再開します。再開したら、まず最初に「会話を閉じてた間に、このファイルを変えたよ」とClaude Codeくんに一言教えます
  3. 枝分かれ(フォーク) — 今まで進めてきた1つの会話をコピーして2つの別々の会話にし、2通りの案を試して比べます
  4. ホワイトボードの外に残す — 第7回の貼り紙(CLAUDE.md)に加えて、作業の途中で分かったことを書いておくメモファイルと、Claude Codeくんが自分で書いている自動メモリの3種類です

一番大事な判断の基準は、前の会話の中身が今でもだいたい正しいなら、そのまま再開する。古くなってるなら、要点のまとめだけを持って、新しい会話を始める、です。4つの段階のどれを使うかで迷ったときも、まずこの判断に戻ってくれば大丈夫です。

よくある3つの誤解

  1. 「圧縮っていう機能があるなら、それをやれば、何も失わずに続けられるんでしょ?」 — 圧縮は、第22回の「要約で数字が溶ける」を自分の手で起こす操作です。何も言わずに圧縮すると、Claude Codeくんが何が大事かを推測して要約するので、みなさんが大事だと思っていた数字が溶けることがあります。公式の説明でも、指示をつけて圧縮すると、自動の要約が推測した大事そうなことではなく、みなさんが選んだことが要約に残る、とされています。書き方は下の「指示つき圧縮の書き方」
  2. 「昨日の会話を再開すれば、昨日の状態がそのまま全部元に戻るんでしょ?」 — 戻ってくるのは、会話の中身(ホワイトボードに書いてあったこと)です。会話を閉じていた間に、みなさんが自分で変えたファイルのことは、Claude Codeくんは知りません。再開したら、まず最初に「どのファイルを、どう直したか」を教えます。言い方は下の「会話を閉じてた間に変えたファイルの伝え方」
  3. 「メモは、Claude Codeくんが、勝手に全部覚えておいてくれるんでしょ?」 — 自動メモリに書かれるのは、公式の説明では4種類で、何を書くかも、そもそも書くかどうかも、Claude Codeくんが決めています。金額・期限・注文番号のような、正確じゃないと困る事実は、自分でメモファイルに置くほうが確実です

4段階の操作の一覧表

本編でお話しした操作と、打ち方の一覧です。打ち方は、Claude Codeくんに指示を打ち込む欄に入力します(ターミナルで使っている場合)。

操作(番組での呼び名)打ち方 → 使いどころ
1段階目その場で軽くする
圧縮コンパクト/compact 残してほしいこと → 同じ話題の続きで、古い部分だけを軽くしたいとき(作業の区切りがついたとき)
巻き戻しリワインド入力欄が空のときに Esc を2回、または /rewind → さっきの脱線をなかったことにしたいとき
新規クリア/clear → 話題が変わったとき(前の会話は保存されていて、あとから再開できます)
2段階目あとで続ける
会話に名前をつける会話の途中で /rename 名前(ほかのつけ方は下の「会話に名前をつける3つの方法」)→ 次の日に続ける作業、案件ごとに分けた会話
名前で再開リズーム会話の中で /resume 名前、起動するときなら claude --resume 名前 → 名前をつけた会話の続きから
続きから再開コンティニューclaude --continue → 一番最近の会話の続きから
要点のまとめを持って新しく始める前の会話を再開して「ここまでの要点と、決まったことを、まとめて」→ まとめを新しい会話に貼る → 前の会話の中身が古くなっているとき
3段階目枝分かれ
枝分かれフォーク・ブランチ/branch 名前 → 同じ土台から、A案とB案を別々に試したいとき
4段階目ホワイトボードの外に残す
貼り紙CLAUDE.mdどの会話でも毎回読んでほしい、みなさんの事情とルール(第7回)
メモファイル作業ノートこの作業の途中で分かったことと、正確じゃないと困る事実(下の「作業ノートの雛形」)
自動メモリみなさんの好みや直された点。Claude Codeくんが自分で書く。/memory でたまに中身を見る

指示つき圧縮の書き方

/compact のあとに、残してほしいものを一言書きます。

/compact A社の見積もりの金額と期限は、そのまま残して
/compact さっきまでの調べ物の途中経過はいらないから、今から作る書類の話を中心に残して
  • 圧縮のおすすめのタイミングは「作業の区切りがついたとき」です。たとえば、午前中は調べ物をしていて、午後からはその結果を使って書類を作る、というときに、午後の最初に「調べ物の結論だけ残して、あとは圧縮して」と頼みます
  • Claude Codeくんは、ホワイトボードがいっぱいに近づくと、自分でも自動で圧縮します。そのときは何を残すかをClaude Codeくんが推測するので、大事な数字は、会話の外の事実メモ(第22回)やメモファイルにも置いておくと安心です

巻き戻しの画面の見方

入力欄が空のときに Esc キーを2回押す(または /rewind と打つ)と、今までのお願いが一覧で出てきます。戻りたいお願いを選ぶと、何をするかを選ぶ画面になります。

  • 会話とファイルの両方を戻す(Restore code and conversation)
  • 会話だけ戻す(Restore conversation) — 話は戻したいけど、作ってもらったファイルはそのままがいいとき
  • ファイルだけ戻す(Restore code) — その逆のとき
  • ここから先を要約する(Summarize from here) — 途中で脱線した話だけを軽くしたいとき
  • ここまでを要約する(Summarize up to here) — 最初の長い準備の部分だけを要約したいとき

注意が2つあります。

  • 戻せるファイルは、Claude Codeくんがファイルを編集する道具で直したファイルだけです。Claude Codeくんがコマンドで動かした変更や、みなさんが自分で直した変更は、巻き戻しでは戻りません
  • 表示の言葉や並びは、Claude Code のバージョンによって変わることがあります

会話に名前をつける3つの方法と、再開の打ち方

名前は日本語でも大丈夫です。

いつつけ方
起動するときclaude -n 名前
会話の途中/rename 名前
会話の一覧から/resume(または claude --resume)で一覧を開き、名前をつけたい会話を選んで Ctrl+R

再開するときは、次のどれかです。

  • 会話の中から: /resume 名前
  • 起動するとき: claude --resume 名前
  • 一番最近の会話の続きから: claude --continue

名前をつけていない会話にも、最初のお願いの内容から自動で題名がつきます。その題名でも再開できますが、自分でつけた名前のほうが断然探しやすいです。/clear で新規にした前の会話も保存されていて、/resume で戻れます。

会話を閉じてた間に変えたファイルの伝え方

再開したら、まず最初に、こんなふうに一言伝えます。

昨日の会話のあと、見積書の金額を自分で直したよ。ほかは昨日のままだよ。
直した見積書を読み直してから、続きをやって。
会話を閉じてた間に、この2つのファイルを変えたよ。
・A社見積書:金額を48万円から52万円に
・作業メモ:期限を10月20日に
この2つを読み直してから続けて。
  • どのファイルを、どう直したかを、具体的に言うのがポイントです
  • 変えたファイルが多くて説明しきれないときは、次の「要点のまとめを持って新しく始める」のほうが確実です

要点のまとめを持って、新しく始める手順

前の会話の中身が古くなっているとき(読んでいたファイルをたくさん直した、調べ物の結果が古くなった、など)は、そのまま続けずに、次の手順で新しい会話に移ります。

  1. 昨日の会話をいったん再開して、まとめを頼む

    ここまでの要点と、決まったことを、まとめて。
    要点を先頭に書いて、見出しで区切った形でお願い。
  2. 出てきたまとめをコピーする(ファイルに保存してもらうと、あとで見返せます)

  3. /clear で新しい会話にして、まとめを貼ってから続きを頼む

  • 長く休んでいた大きな会話を再開すると、「要約から再開する」かどうかを聞かれることがあります(Pro・Max プランで、1時間ほど以上使っていなかった、とても長い会話のとき)。これも、古い全体を引きずらずに要約で続けるための選択肢です

枝分かれ(フォーク)の打ち方

会話の中で /branch 名前 と打つと、今の会話をコピーした新しい会話(枝)ができて、そちらに切り替わります。元の会話はそのまま残っていて、/resume 元の名前 で戻れます。

  • 起動するときに枝分かれさせるなら claude --continue --fork-session(一番最近の会話のコピーから始める)
  • 枝分かれした2つの会話は、別々の会話として保存されます。A案とB案の、良かったほうを続けます
  • 枝分かれした時点で、部下(サブエージェント)などが裏で動いていた場合、その結果は新しい枝のほうに届きます

作業ノートの雛形と頼み方

メモファイル(作業ノート)は、この作業の途中で分かったことを書いておくファイルです。

# 取引先の資料の分類 作業ノート

## 分かったこと
- B社の資料は、2025年以前と以降で書式が違う
- C社の資料は、古い版と新しい版で数字が違っている(新しい版が正)

## どこまで終わったか
- A社〜F社:分類済み(120件)
- G社:途中(35件中20件まで)

## 次にやること
- G社の残り15件
- C社の数字の違いを、担当者に確認する

最初に、こう頼んでおきます。

「作業ノート.md」っていうファイルを作って、
1件調べるたびに、分かったことと、どこまで終わったかを、このノートに書き足しておいて。

次の日は、新しい会話で、こう言うだけです。

作業ノート.md を読んでから、続きからやって。
  • メモファイルは、貼り紙(CLAUDE.md)と違って、新しい会話で自動では読まれません。「読んでから」の一言を毎回添えます
  • 何日も続く作業なら、会話に名前をつけて再開するのと、作業ノートを組み合わせるのがおすすめです

自動メモリの4種類と、一覧の見方

自動メモリは、Claude Codeくんが「これは今後の会話でも役に立つな」と判断したことを、自分で書き足していくメモです。公式の説明では、書かれるのは次の4種類です。

種類中身
1. みなさんのことどういう役割の人で、どういう好みか
2. 直された点みなさんに直された点と、「それでいいよ」と言われたやり方
3. 進行中の案件進行中の案件や期限、決まったこと
4. 参照先どこに何の資料があるか
  • 毎回の会話で必ず何かを書くわけではなく、貼り紙(CLAUDE.md)に書いてあることや、ファイルを見れば分かることは書きません
  • 中身を見るには、/memory と打ちます。第15回でお話しした、読み込まれている貼り紙の一覧と同じ画面から、自動メモリのファイルも開けます。古くなったことや、覚えなくていいことがあれば、消したり直したりできます
  • 自動メモリのファイルは、みなさんのパソコンの ~/.claude/projects/<作業フォルダごとの名前>/memory/ に保存されています

※ここに書いた仕様は 2026年10月10日時点の公式ドキュメントに基づいています。Claude Code は更新が速いので、最新の情報は公式ドキュメントで確認してください。

~/next-steps