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#11 毎回同じお願いをするのが面倒。楽できない?— スラッシュコマンド入門

2026.09.02 | 24:21

#11 エピソードアート
きょうの持ち帰り3回同じ依頼をしたら、それはスラッシュコマンドにする合図。よくする依頼は「短い名前」で呼べる。

まず結論

毎回同じお願いをClaude Codeにしてるけど、楽できないのか。答えは——

できます。よくするお願いには「名前」をつけられる。

その仕組みの名前が「スラッシュコマンド」です。長い依頼文を一回だけファイルに保存しておいて、次からは「/」に続けて短い名前を打つだけで、保存した依頼文がまるごと呼び出される。カレー屋さんで毎回「ビーフカレー、ごはん500g、3辛で、ほうれん草とチーズをトッピングして」と注文していたのを、「いつもの」の一言で通るようにする、あれをClaude Codeでやる仕組みです。

そして「コマンドって言うからには、プログラム的な書き方が要るんでしょ?」に対しては——いいえ、保存するのは日本語の依頼文そのものです。

よくある3つの誤解

  1. 「新しい機能を覚える=また難しくなるんでしょ?」 — これは「増える」方向ではなく「減る」方向の機能。覚えることが増えるのではなく毎回打つ文字が減る。スマホの連絡先に電話番号を登録したら、番号を覚えて毎回打つ手間が消えたのと同じです。
  2. 「コマンドを『作る』なんて、プログラミングじゃないの?」 — 作るものの中身は、あなたがいつも打っている日本語の依頼文と同じ。CLAUDE.mdが「毎回読んでほしいメモ」だとしたら、スラッシュコマンドは「呼ばれたときだけ読むメモ」。しかも作る作業自体もClaude Codeくんに頼めます。
  3. 「そもそも、そんなに同じお願いってしてなくない?」 — これが、だいたいあるんです。「このファイルを読んで要点をまとめて」「この記事の内容をざっくり教えて」「この資料のポイントを3つ教えて」——全部「要約して」という同じ軸の依頼。人間は毎回少しずつ言い回しが違うだけで、骨組みが同じ繰り返しに自分では気づきにくいんです。

作り方の手順(いちばん簡単な方法)

いつもの長い依頼をした直後に、Claude Codeくんにこう伝えるだけです。

今の、このお願いを、「うりあげ」っていう名前のスラッシュコマンドにしておいて

以上です。Claude Codeくんが指示書ファイルを作って「棚」に入れてくれるので、次からは

/うりあげ

と打つだけで、あの長い依頼文がまるごと発動します。作った後の調整も会話でOK。「『うりあげ』コマンドから、比較コメントの部分を外しておいて」のように頼めば書き換えてくれます。石板ではなく鉛筆書きのメモなので、いつでも育て直せます。

仕組みが気になる人へ(ファイルの置き場所)

スラッシュコマンドの正体は、決まったフォルダに置かれた1枚のMarkdownファイル(中身は日本語の依頼文)です。

  • そのプロジェクト(フォルダ)専用にしたい: プロジェクト内の .claude/commands/うりあげ.md
  • どのフォルダで作業していても使いたい: ホームフォルダの ~/.claude/commands/うりあげ.md

ファイル名(拡張子を除いた部分)がそのままコマンド名になります。日本語の名前も使えます。手で作ってもいいのですが、置き場所ごとClaude Codeくんに任せるのが確実です。

効き目が大きい3パターン(実例つき)

パターン1: 定例業務

毎日・毎週・毎月繰り返す作業。週報のたたき台、月末の経費整理、定例会議の資料の下ごしらえなど。

「売上」フォルダの今週分のファイルを読んで、商品別の合計を表にして、
先週との比較コメントをつけて

/うりあげ に。毎回の入力時間がほぼゼロになるのに加えて、指示が固定されるので言い忘れがなくなり品質が安定します。飲食店の「レシピの標準化」と同じです。

パターン2: いつもの点検

やることが毎回だいたい同じ、点検・確認の作業。

このフォルダの状態をチェックして、ルール通りに整理されてるか、
バックアップがちゃんと取れてるかを確認して、問題があったら教えて

/てんけん に。点検は大事なのに面倒でサボりがちですが、コマンド一発になるとサボらなくなります。第8回「バックアップ取ってから」、第9回「セーブしてから」、第10回「直ったか確認して」のような安全系の指示こそ、コマンドに焼き込む価値が一番高い。安全習慣が「意志の力」から「仕組み」に変わります。

パターン3: 自分専用の変換

自分の仕事で「よくやる変換」をボタン化するパターン。

  • 「この文章を、うちの会社の報告書の型に整えて」
  • 「このメモを、お客さん向けの丁寧な文面に変換して」
  • 「議事録を『決まったこと』『宿題』『次回のテーマ』の3つに仕分けて」

番組の裏側の実例だと、つばさは /データ取得 という一言で、YouTubeの管理サイトを巡回して数字を拾い集める作業をまるごと消しました。市販のアプリのボタンは万人向けですが、スラッシュコマンドはあなたの作業にだけ刺さる一点物が作れます。

いつコマンド化するか: 「3回ルール」

3回同じお願いをしたら、スラッシュコマンドにする。

1回目は初めてのお願い。2回目は「あ、また頼んでるな」と気づく段階。3回目まで来たら、それは偶然ではなくあなたの作業の定番です。逆に1回目から張り切ってコマンド化すると、押したことのないボタンだらけのリモコンになります。使わなくなったコマンドは消してOK。「書いて、試して、消して」で、一覧が常に「今の自分の定番メニュー」だけになっている状態がいちばん強いです。

CLAUDE.mdとの使い分け: 貼り紙と指示書

  • いつでも守ってほしいこと → CLAUDE.md(壁の貼り紙): 「ですます調で」「このフォルダは触らない」のような常時のルール
  • 呼んだときだけやってほしいこと → スラッシュコマンド(棚の指示書): 「週次の売上まとめ」のような特定の作業

迷ったら「このルール、雑談のときにも守っててほしい?」と自問してください。イエスなら貼り紙、ノーなら指示書です。分類を間違えると、貼り紙側はノイズになってClaude Codeくんが混乱し、指示書側は「あれ、ルールが守られてないな」になります。

今日のいちばんの収穫

実は、コマンドの作り方ではなく「自分の繰り返しに気づける目」です。高いツールでも難しい技術でもなく、「自分、これ何回もやってるな」に気づくことが業務改善・自動化の本当の出発点。スラッシュコマンドは、気づいてから型にするまでが「Claude Codeに頼むだけ」なので、この改善サイクルを回す練習台として最速です。一度この目が育つと、メールの定型文登録やスマホの単語登録など、Claude Codeの外でも効き始めます。

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