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#7 AIに「うちのルール」を覚えさせられる?— CLAUDE.mdの話

2026.08.19 | 24:27

#7 エピソードアート
きょうの持ち帰りうちのルールは、CLAUDE.mdっていう日本語のメモに書いておける。最初は2〜3行、あとは「2回言ったら書く」で育てる。

まず結論

AIに「うちのルール」を覚えさせられるのか。答えは、「できます。AIが毎回最初に読む『メモ』を、1枚置いておくだけ」。そのメモの名前が CLAUDE.md(クロード・エムディー)です。

中身は「文章はですます調で書いてね」のような、ただの日本語の箇条書き。プログラミングの知識は一切要りません。これをClaude Codeが作業する場所に置いておけば、毎回の会話の最初に自動で読んでから仕事を始めてくれます。前回(第6回)の言葉で言えば、新しいホワイトボードを使った会議でも、必ず最初に読まれる貼り紙です。

よくある3つの誤解

  1. 「設定ファイルって、専門知識が要る難しいやつでしょ?」 — CLAUDE.mdは、ただの日本語で書かれた文章です。書き間違えても壊れないし、変な書き方をしたらClaude Codeが「どういう意味ですか?」と聞いてくれる温度感。名前ごと訳すと「Claudeくんへ」っていう宛名が書いてあるメモ用紙です。
  2. 「一度設定したら、変えられないんでしょ?」 — 逆です。あとから何回でも、気軽に書き足したり消したりするもの。旅行の持ち物リストのように、使うたびに「要らなかった」を消して「あれば良かった」を書き足して、自分仕様に育てていくファイルです。
  3. 「ルールを書いたら、AIは100%その通りに動くんでしょ?」 — 正直にお伝えすると、ルールは「守られやすくなる」だけで100%ではありません。会話が長くなると貼り紙の効き目が薄れることもあります。それでも毎回同じ指示を繰り返すのに比べれば挙動は圧倒的に安定する、**「9割方ちゃんと効果のある貼り紙」**です。外れたときも「CLAUDE.mdにこう書いてあるよね?」の一言で軌道修正できます。

作り方 — 手順は「頼むだけ」

CLAUDE.mdは自分で書く必要すらありません。Claude Codeとの会話で、こう頼むだけです。

CLAUDE.mdを作って。書いてほしいルールはこれとこれだよ

さらに、何を書けばいいかも本人に相談できます

こういう作業でClaude Codeを使ってるんだけど、
CLAUDE.mdにどんなルールを書いておくと良さそう?

これまでのやりとりを踏まえて、書くことの候補を提案してくれます。新人さん用のマニュアルを作るときに、当の新人さんに「どんなことが書いてあると助かる?」と聞くのが一番早いのと同じです。

書くと効く中身3種類(例文つき)

1. 好みのルール

「毎回その形でほしいけど、いちいち指示するのはめんどくさい」というもの。

文章はですます調で
説明はまず結論からしてね
表を作るときは、合計の行を必ず入れてね

行きつけのお店で「いつもの」が何も言わなくても通じる状態を、初対面から作れるルールです。

2. やってほしくないことのルール

実はこちらのほうが大事。「守り」のルールです。

デスクトップのファイルは、勝手に移動しないで
「重要」っていうフォルダの中は、読むのはいいけど変更は加えないで
メールの送信は、必ずこっちに文面を見せてからね

書き方のコツ: 禁止のルールは「場所」か「操作」で具体的に書くと効きます。「変なことしないで」のようなふわっとした書き方だと、何が「変なこと」かの判断がAI任せになってしまいます。立入禁止の看板と同じで、線がはっきりしているほど守られやすい。この「守り」の考え方は、次回・第8回で深掘りします。

3. うちの事情

ルールというより前提知識です。

このフォルダは、売上の資料が入ってるよ
「2026年度」って書いたら、2026年4月から2027年3月のことだよ
僕はプログラミングはわからないので、説明は専門用語なしでお願い

特におすすめなのが「自分がどういう人間か」を書いておくこと。「パソコンは苦手。エクセルの用語もよくわからない」と書いておくと、説明が「セルのB3を〜」ではなく「表の上から3番目、左から2番目の欄を〜」に変わります。弱点を先に開示しておくと、相手がこちらのレベルに合わせて話してくれる。AI相手なら開示はノーコストです。

育て方 — 「2回言ったら、書く」

育て方のコツは、たった1つ。「Claude Codeに2回以上同じことを言っていたら、CLAUDE.mdに書く」

「あれ、これ先週も言ったな」と気づいた瞬間が書きどきです。その場で「今のルール、CLAUDE.mdに足しておいて」と言えば、Claude Codeが自分で書き足してくれます。かかる時間は10秒くらい。

これを続けると、1ヶ月後のあなたのCLAUDE.mdには、あなたが実際に2回以上言ったルールだけ——つまり全部が「本当に必要だった」と証明済みのルールだけが並びます。どこかの誰かのテンプレートではなく、あなたの使い方から自然にできあがった、あなた専用のルール帳です。

逆にやらないほうがいいのは、最初に気合いを入れてネットで拾ったルールを50個書き込むこと。実感から生まれていないルールは効いているのかもわからず、貼り紙だらけの壁は結局どれも読まれません。最初は2〜3行。あとは育てる。

道具との関係が「蓄積型」になる

ここまでの回でお話ししてきたのは「その場その場で上手に付き合う方法」でした。今回から始まったのは、「一度教えたことが、明日からもずっと効く付き合い方」です。

電子レンジは10年使っても初日と同じですが、CLAUDE.mdを持つClaude Codeは、向こう側もこちらに合わせてくれる双方向の道具。使えば使うほど、教えれば教えるほど、明日の自分がラクになります。「2回同じことを言ったら、仕組みに書く」は職場の改善の基本形そのものでもあります——人を責めずに、貼り紙を育てる。

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